2016年11月24日木曜日

ぬくもりはかすかに雪が空をゆく

今日は朝から雪が降ってた。
寒すぎだろ?
こんな寒かったら、色んなものが凍りついてしまいそうだ!

実家で暮らして居た頃を思い出す。
あれは大晦日のちょうど年が明けたくらいの時間だ。雪が積もる道をガシガシ歩いて近所神社へ初詣に出かける。あたりはきーんと張り詰めた寒さで虫の声さえ聴こえない有様だ。神社では近所のじい様方が酒を呑んでいる。お酒の匂いと湿った木の匂いとこうこうと焚かれる焚き火の匂いが新しい年が来たことを教えてくれる。
神棚に供えるお札と熊手を酒くさいじい様から買って帰ると暖かい年越し蕎麦とコタツ猫が待っている。蕎麦は海老の天ぷらだけがのったシンプルなものだ。お母さんはお年取りの料理で疲れ果てているのか蕎麦は冷凍のカトキチだ。でも汁は正月の雑煮などにも使うからお手製。ぬくもりは少しずつ身体に入ってきて小さな僕の脳内を安心させる。
神社へお祈りすることは毎年決まっている。「今年も健康でありますように」欲張らない。

人間は人間のぬくもりには浸透出来ない。ぬくもりはあたかもあたたかいように思えて冷たくも静かなものだ。
冷凍蕎麦のように。

透き通るような寒さの時間を体験したのは少年の感覚がまだ憶えている。


寒さにふるえている場合じゃ、ないのにぃ!きぃー



2016年11月12日土曜日

旅の記憶は図らずも薄れていくよ

随分寒くなって来たなぁ。旅の続きを書こうかなぁ。


欲しい絵本と出会ったのは旅の途中だった。2日目に出会った上海から来た二人組。香川の小さな島、直島だ。地中美術館という安藤忠雄がデザインした建物だ。ここを教えてくれたのは去年ヤン発ツアーを一緒に回った若いラーパっーESVのハジメの彼女のひなこちゃんだった。彼女は直島でバイトをしていたらしい。ESVのマド君は島生まれ。僕は島に憧れていた。僕自身本島なのだから、本当の島なのだ。そう考えると今回の旅は必然だったんだろう。いつもは整理券がないと入れない程人気の地中美術館。僕は閉館時間前に行ったので人は少なくてとても良かった。何故なら、この美術館は毎日の天候。光によって変わるからだ。人が多いとそんなことにも気付けないんだろう。この美術館はちょいと他とは違う。光をイメージして作られてある。だから、毎日表情が違うのだ。
誰がこんなことに気付けるだろう。団体のツアーを組まれたんじゃ全くもってわからないだろう。その日の空がアートになる美術館。すごく感動した。このあと、安藤忠雄という人物が僕の旅まとわりつくことにもこのときは気付いていなかった。そんな地中美術館には瀬戸内海を一望できるカフェがある。これはいいなぁとコーヒーを飲みながら海に沈んでいく夕暮れを観ながらチルしていたら、上海から来た二人組がはしゃいで写真を撮りだした。二人だから、各個人の記念写真しか撮れない。そこで僕が撮ることによって2人の記念写真が撮れるわけだ。僕はそんな事を思いながら夕陽に心躍らせていたらやはり写真を撮って欲しいって話かけられた。わかるよ。多分僕もそうしてる。だけど、写真撮影を頼んでおいて屁をするのはいかがなものか。屁をしたことでもり上がられても困る。撮影を終えると2人は喜んで去って行った。僕と撮った写真を送りますと行ってくれたので、連絡先を交換してさよならをした。僕は中国の人は美術に敏感なのかなぁと思っていた。
翌日直島の美術スポットを回っていると、その2人組から連絡があって、この絵本を知っているか?と聞かれる。僕は全然しらなかった本だった。だけれど、送られて来た写真の絵本はものすごい力を持っていたのがわかった。すぐさま調べたらどうやらものすごい手に入りづらい本らしい。僕はこの本を探す事を旅の目的に変えた。そして、姫路の古本屋で聞いてみるとどうやら京都の恵文社で置いてあるらしい。


続くかも。


なんだ。毎日素晴らしい日にすればいいだけだったんだ。30にしてようやく気づいたよ。

2016年11月5日土曜日

食べられた真実の行き場が無くなっている。

もうあっというまに11月です。
先週は5泊6日で1人旅に出ていました。すごく刺激的な毎日でした。
宿は1日除く全てをわざとドミトリータイプの場所へ。
そのおかげが色んな人と喋れた。今までは絶対1人部屋がいいと思っていたけれどそうゆうのっていともたやすく打ち消されるものなんだな。

また1人で旅する時はそうする。困った時はみんなが助けてくれるし、助けてあげたくなる。そんな素敵な空間。そこに男女年齢国籍等ないのだ。

勢いで決めた旅だったけど、行ってよかった。どこの美術館の作品も輝いて見えた。



秋は輝いている。

少し冷たい風が吹けば、まだサンサンと輝く太陽が身体を温めてくれる。朝と夜は寒くて布団の重みがありがたい。早起きして知らない街に出れば気分がいい。まずはコーヒー屋さんを探そう。宿の近くにあるコーヒー屋さんならどこでもいい。コーヒーを飲みながら少しぼぉっとして今日行きたい場所を決める。昨日の夜教えて貰った場所、自分で行きたかった場所、たまたま通りかかったお店。全てがバトンリレーするように繋がって行く。昼前になれば美術館が開き始める頃だ。1番乗りでそこにある作品をほぼ独占して見る。たまに熱心な芸術ファンが足早に作品の前を通り過ぎていく。僕の目的はモネのあの絵だ。前から見たいと思ってた。それが展示されているはずの美術館にそれが無い。どうやら絵も旅わするらしい。ちょうど明日それが旅に出ている場所に居るじゃないか。そしたらまた明日それに会いに行ける。全然悲しくない。むしろ心が踊ってきた。浮き足立ちながらどの絵ハガキを買うか入念に選びながら買う。美術館を出る頃にはお腹が空いている。ランチに出かける時間だ。ランチは事前に駅の観光案内所で貰った小冊子の中から決めてある。これは昨晩の夜寝る前に目をキラッと輝かせて選んだお店だ。ちょうどお店はランチを始める時間のはずだ。レンタサイクルでその土地の風を感じながら向かう。しかし、街を見ながら走っているとすぐに素敵なお店と遭遇する。あるじゃない。古本屋だ。そこでも素敵なものや本に出会う。欲しい本があるかどうか尋ねてみればそれもまた明日行く場所にあると言う。まさにリレーで僕の前に絵や本がスタートしていたらしい。


続く